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【2019年版】niptの最新ニュースを読み解く

新型出生前診断niptについては、検査実施にあたって施設の「認可」「認可外」問題などさまざまな議論がなされてきました(「niptにおける認可と認可外の考え方」参照)。
最新の情報によると、日本産婦人科学会は検査の実施施設の拡大を認める新指針の運用を見送ると発表しています。ここに至るまでには同学会だけではなく諸々の機関の関わりがありますが、まず最初にこれまでの経緯を振り返って確認してみましょう。

新型出生前診断niptをめぐるこれまでの経緯

わが国では、平成25年4月に新型出生前診断niptが「臨床研究」として開始されました。検査や治療といった医療の概念ではなく、大学病院を中心とした国内の複数の医療機関で臨床研究として始まったのです。

ところが3年半後の平成28年9月、無認可でniptを実施する医療施設があらわれ、日本医師会などが検査中止を求める共同声明を発表したものの法的効力はなく、それから実施施設は増え続けたため平成30年3月には臨床研究から一般診療に移行されたという経緯があります。そして翌平成31年3月には、現状を鑑み日本産婦人科学会が認可施設拡大の方向で新指針案を公表しました。

しかし、無認可施設が増え続けている事態や複数の医学会などから新指針案への批判が寄せられていることを重く見た厚生労働省が検査のあり方を議論する検討会を設置する方針を示し、冒頭のように日本産婦人科学会は新指針の運用を見送るという流れになったのです。

もともと法的強制力がなかった指針

そもそも学会が発表した元の指針には法的強制力はなく(「niptにおける認可と認可外の考え方」参照)、指針のルールに従わずに新型出生前診断niptを提供する無認可施設が急増することはあらかじめ想定できていたことでした。
それに対してやむなく学会が策定した新指針案でしたが、前述のような批判、特に日本小児科学会や日本人類遺伝学会の反発は大きく、検査結果次第で妊娠中絶につながるケースもあることから「命の選別」を招きかねないという意見が多く聞かれました。

【2019年版】niptの最新ニュースを読み解く

niptの今後の流れは?

厚生労働省は日本産婦人科学会に対し、妊婦さんに不安が広がりかねないとして、同省の検討会を踏まえた対応を要請しました。同学会はこれに加えて反発の大きい日本小児科学会などの要望を考慮し、新指針を承認はしたものの、前述の通り運用は見送ることを決めたのです。同学会理事長の談によると、学会としては厚生労働省検討会の動きを注視していくとのことです。

妊婦さんの血液から胎児の染色体異常を調べる出生前診断について、国が検討会を設置するのは「母体血清マーカー検査」をめぐって専門委員会が設置されて以来、約20年ぶりとなります。検討会では、検査の実施施設に求める要件などが今後議論されていく見通しです。

このようなニュース記事に対する読者のコメントなどを見る限り、行政側の言い分と妊婦さんのニーズには温度差を感じずにはいられません。
学会が実施したアンケート結果にも通じるものがあります。議論が進むのは必要なことですが、実際の妊婦さんの声がないがしろにされないことを願うばかりです。

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