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産婦人科医から見るniptとは

妊婦さんに身体的負担をかけずに高精度の検査結果が得られる一方で、前述のような「認可施設」「無認可施設」の差、そして中絶という重い決断にもつながる検査結果──このような問題とは切り離して考えることのできない新型出生前診断niptですが、もちろん医師個人それぞれにも考え方の違いがあって、niptをすすめないという医師も多くいます。

こうした検査のことが気になっている妊婦さんは、担当の先生にお話を聞いてみるといいでしょう。担当医がniptをすすめないのであれば、その理由も教えてくれるはずです。

倫理観の問題は避けられない

niptに限らず、あらゆる出生前診断は倫理観の問題を抜きに語ることはできません。

極論のようですが、「女性の中絶の権利は保障されるべきだ」と「障害者を差別してはならない」という二つの主張に賛成するには倫理的ジレンマが発生します。例えば、染色体異常だと判明した赤ちゃんを身ごもった妊婦さんの立場に置き換えて考えるとどうでしょうか。

「女性の自己決定権の尊重」と「正義や公正の価値観の重要視」は、我々の社会として肯定すべきものです。しかし、新型出生前診断niptがもたらす「選択的妊娠中絶」の問題は、この二つの両立という観点からは非常に難しい倫理観の問題を投げかけてきています。

実際に増えている中絶数

事実、新型出生前診断niptで陽性と判定された妊婦さんの9割以上が中絶という重い選択をしています。前述のNIPTコンソーシアムの発表によれば、新型出生前診断niptが導入された2013年以降で約65,000人が検査を受け、陽性と判定されたのは約890人、その9割以上が中絶をしている、ということが事実として起こっているのです。

メディアによると無認可施設は現在も増え続けており、(言葉は良くありませんが)ある意味では以前より手軽に検査を受けられるようになった現状の中で、この数字はますます上がっていくことも予想されると考えられます。

産婦人科医から見るniptとは

日本産婦人科学会などの方針や法的な立場から

先に述べた通り日本産婦人科学会の立場は認可施設以外での検査を認めておらず、関連医学会では新型出生前診断niptの実施に反対するところもあります。それと同じように、それぞれの産婦人科施設でも検査を推進していないところも多いようです。

また、そもそも日本では母体保護法によって母体の健康を守るための人工妊娠中絶(妊娠22週未満)は認められていますが、胎児の異常を理由にした中絶は本来認められていません。胎児の尊厳を最大限に尊重する立場から「障害児ならいらない」といった考えを否定しているため、出生前診断の検査はすすめない、実施しないという医師も多くいます。

それでも最終的な「検査を受ける」「受けない」の判断は妊婦さん本人に委ねられます。正しい答えというものは存在しない非常に難しい問題ですが、とにかく家族間でしっかり話し合いの時間を設けることが重要です。

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