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新型出生前診断(nipt)はなぜ年齢制限があるのか

現在、新型出生前診断(nipt)の検査対象となっているのは、ダウン症候群(21トリソミー)をはじめとする3つの染色体異常です(「出生前診断でわかることとniptでわかること」参照)。
これらの異常の確率は母体の年齢とともに上がりますが、若い妊婦さんでも確率はゼロではありませんし、実際に生まれてくる染色体異常の赤ちゃんの総数は、若い妊婦さんからのほうが多いのです。若い世代のほうが妊娠する人口が多いので当然ですね。

もともと新型出生前診断(nipt)の対象を35歳以上とした背景には、この検査を若い妊婦さんが受けて陽性と判断された場合、本当に染色体異常がある確率が高齢出産の場合より低い、ということがあったのです。
しかし、niptを受けた後に確定診断のための羊水検査がしっかり行なわれている現状や、学会による年齢規制には法的効力がないこと、海外では年齢制限を設けている国が少ないことなどを考えると、わが国でもこうした年齢制限を見直す時期に来ているのかもしれません。

学会認可施設でのnipt対象者は

学会の認可施設でniptを受ける場合、どのような規制があるのか見てみましょう。以下は、とある認可施設で定められているnipt対象者の規程です。

妊娠10週(出産予定日が確定)以降の単胎妊娠の妊婦さんのうち、

  1. 高齢出産(35歳以上)の方。
  2. 染色体数的異常(13トリソミー、18トリソミー、21トリソミー)を有する児を妊娠した既往のある方。
  3. 胎児が染色体数的異常を有する可能性を示唆された方。
  4. a)胎児超音波検査で、胎児が染色体数的異常を有する可能性が示唆された。
    b)母体血清マーカーで、胎児が染色体数的異常を有する可能性が示唆された。
    c)両親のいずれかが均衡型ロバートソン転座(ひとつの染色体が他の染色体にくっついてしまう異常のこと)を有していて、胎児が13トリソミーまたは21トリソミーとなる可能性が示唆された。

この施設は、日本産婦人科学会で出されている「母体血を用いた新しい出生前遺伝学的検査に関する指針」を遵守し、文部科学省、厚生労働省、経済産業省の定める「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針」、および日本医学会の「医療における遺伝子学的検査・診断に関するガイドライン」に則ってniptが行なわれています。

このように、認可施設では対象者としてまず最初に「35歳以上」と掲げられている施設が多いようです。

新型出生前診断(nipt)はなぜ年齢制限があるのか

年齢制限などの規制による問題

新型出生前診断niptの実施に規制が設けられているのは、前述の理由の他に、「安易な中絶をまねく」と批判する団体が多いこともあります。また、日本産婦人科学会は年齢制限だけではなく「専門家によるカウンセリング」など厳しい条件をつけて認可施設を許可しています。

しかし、これによって認可施設が地域によっては極端に少なくなるなどの問題が生じており、仮に認可されていない医療施設の産婦人科医が妊婦さんにniptを受けたいと依頼されても、学会所属医であれば処分の可能性もあるため検査に応じることができないこともあるようです。

ただ、冒頭で申し上げたように、年齢制限をはじめとしたこのような学会の規制には法的効力がないことも事実です。

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