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口唇裂・口蓋裂

現在、出生前診断によりさまざまな疾患がわかるようになってきました。本記事では、その中でも口唇裂・口蓋裂についてご紹介します。どのような検査により診断ができるのか、また症状や治療方法などについてまとめましたので、出生前診断を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

生まれる前の口唇裂・口蓋裂の検査方法

口唇裂・口蓋裂は、胎児の発達の遅延や羊水量の異常などがきっかけで発見されるケースもありますが、妊婦健診の超音波検査で診断されることも多くあります。これは超音波検査を行うと、赤ちゃんの顔の造形や特徴を確認できるため。口唇裂は、妊娠20〜30週以降に発見しやすいとされています。

ただ、超音波検査でうまく描写できた場合には口唇裂の有無をおおよそ確認できますが、撮り方や赤ちゃんの顔の角度などによってはうまく映らず、生まれてから判明するケースもあります。また、お母さんの血液中に浮遊している赤ちゃんのDNAの断片を調べるniptでは、口唇裂・口蓋裂の有無を確認することはできません。

口唇裂・口蓋裂とは

赤ちゃんがお腹の中で成長するときには、顔は左右から伸びるいくつかの突起が癒合して作られますが、この段階で癒合がうまくいかない場合に、裂け目が残ってしまいます。このようにして、歯のすぐ下で上唇が分離して上唇が割れたような状態になっているものを口唇裂、口の中の「口蓋」と呼ばれる天井部分に裂け目が生じて鼻への通り道ができている状態を口蓋裂といいます。

この口唇裂と口蓋裂は同時に発生することも。生まれつき体の表面に生じる疾患の中では比較的発生率が高く、500〜600人に1人の割合で発生するとされています。

口唇裂・口蓋裂の症状

口唇裂と口蓋裂の程度はさまざまです。 口唇裂の場合は、「不全唇裂」と呼ばれる上唇にわずかにくぼみが見られる症状から、「完全唇裂」と呼ばれる、鼻の奥の方まで割れている場合もあります。この場合、通常は連続している口輪筋も同時に割れていることになりますし、鼻の変形も伴います。さらに、見かけ上は割れておらず、筋肉が割れている痕跡唇裂と呼ばれる症状が現れることもあります。

また、口蓋裂の場合も割れ方の程度はさまざま。口蓋の前方2/3を「硬口蓋」、口蓋の後方1/3を「軟口蓋」と言いますが、硬口蓋・軟口蓋ともに割れているものを口蓋裂と呼び、軟口蓋のみが割れているものを軟口蓋裂と読んでいます。さらに、口蓋裂の中には、一見裂けている部分がないように見えたとしても、粘膜の下で筋肉が断裂している粘膜下口蓋裂が発生している場合もあります。

口唇裂・口蓋裂が発生すると、審美的な障害のほか、哺乳障害や摂食障害、発音障害が見られます。さらに、口唇裂や口蓋裂が単独で現れる場合もありますが、手足などの形態異常や心臓の形態異常が現れるケースもあります。さらに、口蓋裂の場合は口と鼻が繋がっていることで鼻咽腔が食べ物によって汚染されやすく、扁桃炎や中耳炎を起こしやすくなるため注意が必要です。

口唇裂・口蓋裂の発症理由

口唇裂と口蓋裂がなぜ発症するかは、今も明確になっていない部分も多くあるものの、環境的な要因と遺伝的要因が関与していると考えられています。環境的要因としては、妊娠中のストレスや感染症、服薬、栄養不足、喫煙やアルコールといったものが考えられています。また、口唇裂や口蓋裂のある子供が生まれた場合には、2人目もこの種類の先天異常が発生するリスクが高まるとされています。

また、単独で口唇裂や口蓋裂が発生することが多いものの、心臓の疾患や顔面・手足の異常などほかの先天性疾患に合併して起こるケースもあります。

口唇裂・口蓋裂の治療方法

口唇裂・口蓋裂が見られる場合には、出生直後から成人を迎えるまで、長期に渡る治療を行います。

口唇裂の場合は見た目にも問題が生じるほかにも、乳児の場合には乳頭を加えるときに唇を閉じることができません。そのため、症状に応じて乳児の摂食を助けるために特別設計の哺乳瓶や一時的に口の天井を閉じられる器具、乳児の口の天井に合わせた人口口蓋などを使用します。

また、口唇裂・口蓋裂ともに手術による修復を行いますが、手術を行う時期は症状により異なります。口唇裂を閉鎖する形成手術は、生後3〜6ヶ月を目安に行われます。また口蓋裂の場合は、一般的に2段階の手術が行われることになります。第1段階として、生後3〜6ヶ月の時点で口唇裂・鼻裂・軟口蓋裂を修復し、生後15〜18ヶ月の時点で硬口蓋の修復を行います。

さらに、歯科治療や歯科矯正治療、言語療法やカウンセリングなど、幅広い治療が必要となるため、口腔外科や矯正歯科、小児歯科、耳鼻咽喉科、言語治療科などによる総合的な治療を行います。

口唇裂・口蓋裂と診断された赤ちゃんの出産について

口唇裂・口蓋裂があると診断された場合には、専門医への問い合わせなどを検討する必要がありますし、母子ともに適切なケアを受けられる機関で出産することが望ましいとされています。

また、口蓋裂を持つ赤ちゃんの場合には、生後速やかに顎の正常な発育を促す装置を作成して口腔に装着します。口唇裂を閉鎖するための形成手術は、生後3〜6ヶ月ごろ、体重が5kgを超えたあたりに行うことが目安とされています。

まとめ

口唇裂・口蓋裂について紹介してきました。これらの疾病は治療により機能的な障害が残らない程度まで改善できることがほとんどとされているため、根気強く治療を行うことが大切です。口唇裂・口蓋裂があるとわかった場合、その見た目からもショックを受ける場合も多いですが、治療法は日々進歩していますので、適切な時期に適切な治療を受けることで健常者と変わらない生活を送ることができるようになります。

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