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18トリソミー(エドワーズ症候群)

18トリソミー(エドワーズ症候群)とは、常染色体のひとつである18番染色体が1本多く3本みられる染色体異常のこと。出生児の3,500~8,500人に1人の割合でみられ、そのうち6割が女児にみられることが特徴です。こちらでは、18トリソミー(エドワーズ症候群)について解説します。

18トリソミー(エドワーズ症候群)の原因とは?

18トリソミー(エドワーズ症候群)の原因は主に3つあると言われています。

フルトリソミー型

18トリソミー(エドワーズ症候群)の原因において93.8%の確率で見られるのがフルトリソミー型。配偶子形成の過程で減数分裂をしたときや受精卵が形成されたときに染色体が不分離になってしまったときに生じます。

モザイク型

正常な染色体と18トリソミーが混ざっている染色体のこと。18トリソミー(エドワーズ症候群)全体で4.5%を占める原因です。

部分トリソミー型

染色型の数は46本と変わらないなか、1本だけほかの染色体と結合している不均衡型相互転座のこと。ほかの原因と比べると非常に少ない割合で1.7%ほどにあたります。

18トリソミー(エドワーズ症候群)の症状

18トリソミー(エドワーズ症候群)にみられる症状は、生命の危険につながる可能性が高いのが特徴。ここで、身体的な特徴や代表的な症状を紹介します。

身体的特徴

精神発達遅滞が見られ、低体重・低身長と未熟児で生まれることが多いのが特徴。小頭症や後頭部突出がみられることもあるでしょう。

胸骨は短く、手足の指が重なっている合指症や指の数が多い多指症がりあり足裏が反っていることもあります。

胎児期における発育障害

胎児の発育状態を確認するときに、胎児心音の弱さや低体重や羊水過多などを指摘されることがほとんど。確定診断は羊水検査やNIPTによって調べることが可能です。

先天性心疾患

心室中隔欠損症、心房中隔欠損症、動脈管開存症、大動脈狭窄などの先天性心疾患がみられます。また、先天性心疾患にともなう肺高血圧もあるため注意が必要です。

悪性腫瘍

肝臓に腫瘍ができる肝芽腫は、3歳までに発症するケースがほとんど。腎臓にみられるウィルムス腫瘍は、5歳までに発症する可能性が高いと言われています。

難聴

18トリソミー(エドワーズ症候群)では難聴を発症するケースも。聴覚スクリーニングテストにて判定されるため、診察を受けることをおすすめします。

18トリソミー(エドワーズ症候群)の合併症とは

18トリソミー(エドワーズ症候群)の合併症は、先天性心疾患の状況に左右されます。

これらが合併症の引き金となり、進行を早めてしまうことにつながります。

うっ血性心不全

全身に必要な血液を送り出す力がないため、体に血液が滞ってしまう状態のこと。先天性心疾患の治療ができない状態が続くと、心臓に血液が滞ってしまうことに。心臓機能が低下することにより、大きな負担をかけることになります。

肺高血圧

心臓から肺へと流れる肺動脈の圧が高くなることで起こる病気。肺への血液循環が低下してしまうため、肺から血液に流れる酸素の量が減少します。酸素の量が減ることにより、呼吸困難に陥ることも。呼吸循環動態が不安定なところに注意が必要です。

呼吸器合併症

あごが小さいこともあり飲み込みが難しく、上気道炎を起こしやすくなります。また、上気道の閉塞や無呼吸発作、横隔膜弛緩症、肺うっ血などにより呼吸不全に陥りやすいことも。必要に応じて人工呼吸器の装着や気管切開などの処置が求められます。

消化器合併症

食道閉鎖や鎖肛といった手術が必要なものから、胃食道逆流など飲み込みが難しいために起こる肺炎が挙げられます。

泌尿器合併症

水腎症、2つある腎臓が馬蹄状(ばていじょう)につながっている馬蹄腎(ばていじん)があります。尿の排泄がうまく行えないため血尿、尿路感染症、尿路結石になる確率が高くなることも。無症状の場合は様子をみますが、症状が見られる場合は手術が必要となります。

また、足のつけ根辺りから腸が出ているため腫れてしまうのが、そけいヘルニア。そけいヘルニアがみられる18トリソミー(エドワーズ症候群)児も多く、手術が必要になります。

18トリソミー(エドワーズ症候群)の治療

18トリソミー(エドワーズ症候群)は根本的な治療はありません。そのため、合併症に応じた治療を受けることが必要でしょう。しかし、体力を考慮すると手術に踏み切れないことも。さらに、哺乳が難しい場合、チューブや胃ろうによって栄養管理をすることも大切です。

18トリソミー(エドワーズ症候群)児を育てる上で気を付けること

生涯を通して病院での生活となるケースもありますが、先天性心疾患や呼吸器合併症が落ち着いてきたら在宅療養も可能に。人工呼吸器を装着している児が多いこともあり、機器の管理や吸引などの最低限の技術を身につけておきましょう。

日常生活においては、栄養管理に関する技術は必須事項。訪問看護サービスをはじめ、在宅で受けることが可能な医療サービスを活用することがおすすめです。

ほかにも重症心身障害児を受け入れる施設を定期的に利用することも有効。レスパイトケアが受けられる施設を選ぶことにより、家族の負担が軽減できます。

18トリソミー(エドワーズ症候群)児や周りへの支援

18トリソミー(エドワーズ症候群)の方や家族への支援についてお伝えします。どの手当も同時に受けることが可能です。

特別児童扶養手当

身体や精神に障害がある児童の福祉増進を図る目的で支給される手当。等級があり、所得に応じて支給されます。自治体への申請が必要です。

障害児福祉手当

重度障害児に対して、精神的・物質的負担の軽減を目的として支給されます。所得に応じて支給額が変わるため、自治体に確認してから申請しましょう。

障害者手帳

先天性異常や合併症が理由となって、日常生活が極端に制限される場合に交付されます。

等級や種別、自治体によって受けられるサービスは異なるため、確認が必要です。

重度障害者医療費補助

医療機関を受診したときに支払った保険診療費の自己負担分を、所得に応じて補助を受けることが可能です。

未熟児養育医療

出生時の体重が2,000g以下、または発育が未熟なまま誕生した未熟児に対して、入院治療に必要な医療の給付を受ける制度。医療費やミルク代が給付対象で、居住する自治体への申請を行います。

小児慢性特定疾患医療費助成

小児慢性特定疾患に指定されているため、所得に応じて医療費助成が利用できます。助成を受けるためには、自治体窓口で申請しましょう。

家族会の存在

家族に対しては「親の会」など私設の会もあり、18トリソミー(エドワーズ症候群)児と過ごす家族とコミュニケーションを図ることが可能。同じ悩みを持つ家族との交流により、有意義な意見交換ができます。