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13トリソミー(パトウ症候群)について

13トリソミー(パトウ症候群)とは、常染色体の13番目の染色体が1本多くなることでみられる先天性異常のことを指します。5,000~12,000人に1人の確率でみられる症候群です。

こちらでは、13トリソミー(パトウ症候群)の原因や症状、治療や支援などについてお伝えしていきます。

13トリソミー(パトウ症候群)の原因とは?

13番目の染色体が、通常は2本のところ3本あるために発症する先天性の症候群です。循環器と呼吸器疾患の状態により予後が左右されるといわれています。

13トリソミーは13番目の染色体のすべて、または一部が重複するといった数的な異常によって遺伝子のバランスが崩れ、起こります。

多くは13トリソミーと診断される場合の主なタイプは3つです。

標準型

13番目の染色体が3本みられるものを「標準型」いい、全体の大多数を占めます。配偶子形成期に染色体がうまく離れなかった、または突然変異が起きた場合に起こりやすいタイプです。そのうちの90%は、卵子を形成する時期に起きやすいといわれています。

転座型

13番目の染色体が、他の染色体と結合しているものを「転座型」といい、全体の15%を占めます。転座型の場合、染色体の合計は46本となります。

モザイク型

正常な染色体細胞と13トリソミー細胞が混ざっている染色体があるものを「モザイク型」と呼び、わずかなを占めます。

13トリソミー(パトウ症候群)の症状

胎児期から発育障害があり、低体重・低身長で生まれてくることがほとんどです。脳や循環器、消化器の先天異常が高確率でみられます。

13トリソミー(パトウ症候群)で必発といわれるのが、以下の4つです。

先天性心疾患も80%の確率で見られ、代表的な疾患として心室中隔欠損症、心房中隔欠損症、動脈管開存症などがあります。

手指の拘縮(こうしゅく)や重なり、多指症(多趾症)、そけいヘルニア、小陰茎や精巣停留などもみられます。

13トリソミー(パトウ症候群)の合併症とは

13トリソミー(パトウ症候群)でみられる合併症について、器官別にお伝えします。

神経系合併症

左右の大脳半球が分かれない状態になる全前脳胞症が起きることで、大脳の基底核(きていかく)などの癒合(ゆごう)を認めます。そのため脳の電気的興奮がきちんと伝わらず、けいれんやてんかん発作が多くで見られるのです。生涯に渡り、抗けいれん薬や抗てんかん薬を使用する必要があります。

呼吸器合併症

脳の癒合が起きる、呼吸中枢の発達が遅れる、気管軟化症が起きるといった原因によって無呼吸発作を起こす症状です。早期の段階で気管挿管し、人工呼吸器を装着されます。生涯に渡って人工呼吸器での呼吸管理が必要となる児もいることが特徴です。

循環器合併症

循環器の合併症には心室中隔欠損症や心房中隔欠損症、動脈管開存症、両大血管右室起始症などがみられる症状です。どの疾患も動脈血と静脈血が混ざってしまうことから、多呼吸や陥没呼吸、体重増加不良など心不全症状をきたします。早期の段階で中隔欠損などに対する手術が行われます。

消化器合併症

呼吸が不安定で空気を飲み込みやすいことが原因となり、主に胃食道逆流がみられる症状。胆汁が通る管である総胆管が拡張していることで黄疸や胆汁うっ滞が出現する、総胆管拡張症も多くみられることが特徴です。総胆管拡張症は妊娠中にもわかる合併症であり、早期に手術が必要となります。

泌尿器合併症

腎臓で作られた尿を排泄できず、腎臓や尿管に溜まってしまうために起こる合併症を水腎症といいます。腎機能が保たれている場合は様子をみますが、排泄ができない場合や腎機能が悪化している場合などには手術が必要です。また、腎臓にのう胞ができてしまうことで腎機能を低下させる多のう胞腎もみられます。他には、精巣が陰嚢の中になく、そけいや腹部にみとめる停留精巣があります。

内分泌合併症

内分泌合併症のひとつに、甲状腺機能低下症があります。甲状腺ホルモンの分泌が低下していることで、黄疸や便秘、体の冷えがみられることが特徴です。薬物療法が行われますが、現在は新生児マススクリーニング検査の対象疾患となっているため、早期の段階で発見されます。他には遷延性低血糖がみられ、血糖を維持するためにブドウ糖液を注射する必要も。低血糖が続くと、けいれんや神経後遺症を残すことがあります。

13トリソミー(パトウ症候群)の治療

13トリソミー(パトウ症候群)の根本的治療はありません。

先天性心疾患や全前脳胞症による形成障害の治療、合併症に合わせた治療が必要です。出生時から呼吸・循環不全がみられるため、人工呼吸器による呼吸管理や輸液による循環管理が行われます。

13トリソミー(パトウ症候群)児を育てる上で気を付けること

一般的に、13トリソミー(パトウ症候群)の子どもは、生後1か月以内に亡くなる確率が高いといわれています。しかし、ゆっくりと成長を見せる子どもがいることも事実です。

生涯を通して病院での生活を送る子もいますが、人工呼吸器の管理や吸引、栄養管理などの最低限の技術を家族が身につけることで、在宅での療養が可能になるケースもあります。その際は、訪問看護など在宅で受けることが可能な資源を最大限活用しましょう。また、重症心身障害児を受け入れる施設を定期的に利用することも大切です。

13トリソミー(パトウ症候群)児や周りへの支援

13トリソミー(パトウ症候群)の方や家族への支援についてまとめています。どの手当も同時に受けることが可能です。

特別児童扶養手当

身体や精神に障害がある児童の福祉増進を図る目的で支給される手当です。等級があり、所得に応じて支給されます。自治体への申請が必要です。

障害児福祉手当

重度障害児に対して、精神的・物質的負担の軽減を目的として支給されます。所得に応じて支給され、自治体への申請が必要です。

障害者手帳

先天性異常や合併症が理由となって、日常生活が極端に制限される場合に交付されます。

等級や種別、自治体によって受けられるサービスは異なるため、確認が必要です。

重度障害者医療費補助

医療機関を受診した際に必要となった保険診療費の自己負担分を、所得に応じて補助を受けることができます。自治体への申請が必要です。

未熟児養育医療

出生時の体重が2,000g以下、または発育が未熟なまま誕生した未熟児に対して、入院治療に必要な医療の給付を受ける制度です。医療費やミルク代が給付対象となります。居住する自治体への申請が必要です。

小児慢性特定疾患医療費助成

小児慢性特定疾患に指定されているため、所得に応じて医療費助成を受けることが可能です。助成を受けるためには、自治体窓口への申請が必要となります。

家族会の存在

家族に対しては「親の会」など私設の会があり、13トリソミー(パトウ症候群)児と過ごす家族とコミュニケーションを図ることが可能です。